今回はわずか十数年で世界的クラフトビールブランドへと急成長したブリュードッグの創業者ジェームズ・ワットの著書「ビジネス・フォー・パンクス」を読みました。
本書は起業をテーマにした内容になっております。

正直僕は起業する予定は全くありません。しかしこの本には日常の仕事や生活にも活かせるヒントがたくさんありました。
今回はその中から特に印象に残った3つの考え方を紹介します。
①機会費用という考え方
②創造のための「空間」と「時間」の工夫
③リーダーに必要なこと
どれも人生の軸をより良くしてくれる視点ばかりでした。
機会費用という考え方
機会費用とは?ー「何かを選ぶと何かを失う」という視点

機会費用とはある選択をしたときに失われる”別の可能性”の価値のこと
例えば100万円を使って資材を購入したとします。この時発生するのは単なる支出だけではありません
本来その100万円を別の目的(広告費、従業員の教育、貯蓄など)につかえていたかもしれない可能性を失うことになります。
つまり「何かを選ぶことは他の選択肢をすべて諦めること」でもあるわけです。
この考え方は経済学だけの話ではなく、日々の生活や仕事の中でも応用できる考え方です。
お金以外にもある「見えない機会費用」
機会費用という言葉をきくとつい「お金」の話と思ってしまいがちですが、本当に重要なのはお金以外のリソースにもこの考え方があてはまるということです。

時間、人材、チャンス、エネルギーなど限られた資源全てにおいて機会費用は存在するよ
たとえば「自己研鑽に2時間使う」ことで「家族との時間2時間分」は失われます。
つまりどんな些細な行動にも対価があるという意識が重要なのです。
機会費用を活用する方法

この考え方を日常に活かすには「今自分がしている選択に対して他にどんな選択肢があったのか」を意識してみることだよ。
・時間であれば自己研鑽、家族、友人、余暇などの選択肢
・お金であれば投資、自己研鑽、貯蓄、浪費(そのなかでもゲーム、食事に使うのかなど)
そしてその中から「自分にとって本当に価値の高い選択肢は何か?」を選び取っていく。
完璧に把握するのは難しいかもしれませんが意識するだけでも選び方が変わっていくと思います。
自分の時間、お金へのアクションプラン
僕はこの機会費用の考え方を「時間」、「お金」の使い方で意識しています。
時間に関しては自己研鑽は早起きして一人の時間のときにやり家族と過ごせる時間を大切にする
お金に関しては毎月マネーフォワードの家計簿を妻と見直し満足度の高い出費、低い出費を洗い出す
自分にとって本当に大切なことはなんだろうと立ち止まって考える。
それがこれからの人生をより豊かにするヒントになる気がします。
創造性を育むための「空間」と「時間」の整え方
クリエイティブな思考には”余白”が欠かせない

なにか意味のあるものを生み出すためにはまず頭の中に”余白”が必要だよ。
本書では創造的なアイデアを生み出すためには以下の2つが不可欠だと述べられています。
①周囲の雑音や邪魔な出来事から完全に自由な環境を作る
②毎日のドタバタから少し距離を置く時間を持つ
つまり先のことを考えるための自由な時間と空間を意識的に作ることが大切です。
空間:デジタルとアナログで作業環境を分ける
作業環境で参考になったのがデスクを”デジタル”と”アナログ”にわけるというアイデア。
アナログ用デスク
・メモ帳やノート、ペンのみを置く
・新しいアイデアを考える、企画を練る、深く思索する場として活用
デジタル機器に機を取られずに本当に考えるべきことに集中できる空間
デジタル用デスク
・コンピューター、スマホ、電話などを置く
・メール処理や情報収集など作業向け
作業内容ごとに空間を切り替えることで頭の”ゾーン”を瞬時に切り替えれます。
時間:リアクション型ワークフローの罠
リアクション型ワークフローとは、例えば仕事で誰かからメールが届くたびに対応するといった相手の行動に対して反応する受け身の状態のことをいいます。
これの恐ろしいところはリアクション→対応→リアクションという悪循環におちいると自分の時間がどんどん奪われていきます。
解決策:50-50ルールで時間を意識的に分ける
著者が提案するのは「50-50ルール」という時間配分の考え方です。
・日々の業務や今ある問題の対応に使う時間は50%まで
・残りの50%は「会社をどう成長させるか」「今後の展望」など未来に向けた時間として確保する
リアクションしないための具体的なアクションプランとしてメールは2日に1回しか返さないというものが紹介されていました。
自分のアクションプラン:起床後はアナログデスクで時間を過ごす
この考え方を参考に僕はリビングはデジタル用、書斎のデスクはアナログ用に分けました。
そして起床後はアナログデスクでブログの構想、読書、目標の棚卸しなど急ぎの対応ではなくアイデアを出すための時間に当てたいと思いました。
リーダーに求められる資質は家庭でも活きる
本書で述べられていたリーダーに必要な資質は家庭というチームを率いる大黒柱としてのあり方にも応用できると感じました。
特に印象に残った3つについて紹介します。
①狂ったように人を褒める
②人に時間を与える
③主体的である
狂ったように褒める

人は自分のしていることに気づいてもらえると嬉しくなるものだ
リーダーの大切な役割の一つは「部下の頑張りに気づいて褒めること」
本書ではわかりやすく、頻繁に、心のそこから褒めることが大切だと書かれていました。
アクションプラン:家庭では妻が日々やってくれている家事や心配りに対して、具体的に感謝を伝える!!
人に時間を与える

人は「自分のために時間を割いてくれる人」に、大切にされていると感じる
忙しいときこそ相手に「時間」をプレゼントすることが大切だという教えも響きました。
リーダーはチームに時間を使い信頼を築きます。
アクションプラン:自分の作業中でも妻が何かで呼ぶことがあれば即座に作業を中断して妻のことを優先する!!
主体的である

部下がミスをしたならそれはリーダー自身の責任
優れたリーダーは自分のリーダーシップの技量が最終的にすべての結果に反映されることを理解している
アクションプラン:夫婦間でトラブルがあった時はまず「自分に原因や改善できる点がなかったか」を見つめる!!
まとめ
今回「ビジネス・フォー・パンクス」から得た学びは大きく3つです。
・機会費用について考える
自分の選択を当たり前に進めるのではなく一度立ち止まって「他にどんな可能性があったか」を比較する習慣を持つ
・創造性を育てるために「空間」と「時間」に意識的な工夫を凝らす
思考を深めるためには余白が必要です。そのためにデスクを分けること、未来のことを考える時間を確保する必要がある
・リーダーシップは家庭でも活きる
「褒める」「時間を与える」「主体的でいる」ことを大切にする
どれもすぐに実践できる小さな心がけです。
だからこそ自分の毎日をちょっといいものに変える力があると感じました。
皆様の参考になれば幸いです。
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